国民貯蓄の行方

 日本がまだなお世界経済で力を持っているのは、豊富な国民貯蓄のおかげである。問題は、その国民貯蓄を実際にどのくらい使えるのか、またどのように使うのかであろう。国民貯蓄のうち、たとえば、アメリカの国債を買うために流れていくものもあるし、郵便貯金のように財政投融資を経て公社・公団に流れるものもある。あるいは銀呼応の預金を通して一般企業に渡るものもある。もちろん、国民貯蓄がこうして使われるのは至極まっとうな経済行為であるが、本当に投資に値するリターンを得ているのかを問わなければならない。つまり、国民の血と汗の結晶が無駄に使われていないかということが問題にされなければならない。いま、政府は国民貯蓄を使って、これまでに溜まってきた財政赤字を解消しようと考えている。

 日本の財政赤字はGNPの3%を超える膨大なものになっているからである。中央政府だけでなく、地方自治体、公社・公団などまで含めると、財政赤字は1400~1500兆円に達するとも言われている。これを国民貯蓄で相殺しようというのである。財政赤字は膨大であるけれども、国民貯蓄を使うことが可能な限り、まだまだ日本の財政は大丈夫という見方がある。2009年6月中旬、内閣府は2011年度から7年間毎年1%ずつ消費税率を引き上げ、2017年度に12%としても、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)が黒字化するのは翌2018年度との試算を示した。 

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