資本収支黒字

 グローバルなマネーフローというものは、規制撤廃が進み、コンピューター取引による技術革新も進んだ1990年代において、より短期でより迅速に世界を駆け巡るようになった。しかも、世界の余剰貯蓄は、最大の金融資本市場アメリカを目指して、まるでブラックホールのように吸収されていく。

それは、アメリカの金融資本市場の強靭さゆえだという理解だけではたして十分なのだだろうか。アメリカ市場をけん引してきたナスダックのIT関連銘柄にバブルの懸念が消えないもとでは、それを売って、他の金融市場に資本移転を図るという思惑も出てくるだろう。

 このことは、アメリカの経営収支赤字がとてつもない規模になってしまい、しかも、アメリカは同時に資本輸出も大きな水準を維持しているわけであるから、その赤字を総合した赤字(経常収支赤字+資本輸出赤字)をファイナンスするための資本収支黒字を調達しなければならないということになる。しかもITというブームも、一時の神通力を喪失し、結局バブルだったのではないかという懸念を生んでいる。2000年11月末には株価指数が2,600をあっさり割り込んだナスダックの前途に、明るい見通しは聞こえてこない。1920~30年代のマネーフローは先に見たとおり、アメリカのネットでの資本輸出が、1929年大恐慌を引き金にして、1930年代には収縮に転じるという出来事だった。

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